🇯🇵 Cardanoエコシステムのための分野別トップレベルドメインの確保

Cardanoエコシステムが拡大し成熟していく中で、新たな機会が生まれるあらゆる場面で、その存在感を強化することが重要です。その一つが、インターネット名称・番号分配機関(ICANN)による新規の分野別トップレベルドメイン(gTLD、例:.org や .xyz)登録申請の受付であり、2026年第1四半期に開始される予定です。

この受付期間中は、2012年以来初めて新たなgTLDの申請が可能となります。Cardanoの利益のため、Cardano Foundationは自己資金のみを用いて、.ada および .cardano のgTLD登録を申請する計画です。申請が成功すれば、これらのgTLDを確保することで、Cardanoエコシステム内の誰もが該当ドメイン(例:vespr.ada や nmkr.cardano)を取得できるようになります。

Cardano Foundationは、ICANNの新規申請受付が発表された2023年以降、このプロジェクトのスコープ策定を着実に進めてきました。複数分野の専門家から成るチームが本イニシアチブを形作り、コミュニティの有識者との協議や、申請準備および将来のgTLD運用管理の双方で最適な支援を得るためのベンダー評価を行ってきました。この可能性に強い期待を寄せており、とりわけ PiPatrickChris の貢献に感謝の意を表します。

本記事では、(1) gTLDの機会を概観し、(2) 戦略的重要性を説明し、(3) エコシステムの利益のためにgTLDを管理する際の基本方針を示し、(4) コミュニティ支援を募るプロセスを説明し、(5) Cardano Foundationが負担する費用の見積もりを提示します。

1. 新gTLD申請受付期間

Web2の世界では、非営利団体であるICANNが、インターネットにおける固有識別子の安定性と安全性を維持するうえで重要な役割を担っています。具体的には、ICANNはドメイン名、IPアドレス、プロトコルパラメータの割り当てを調整し、世界規模のネットワークが相互運用可能な状態を保てるようにしています。

今回のgTLD申請受付は、新たなgTLDの導入を可能にし、オンライン上のアイデンティティやナビゲーションの将来像に影響を与えるものです。

申請者ガイドブックに定められた申請プロセスでは、申請者は提案するgTLDに対して技術的・運用上の能力を示すとともに、明確な戦略的ビジョンを提示する必要があります。ICANNはコミュニティベースの申請の重要性を強調しており、特定のコミュニティの利益に資するgTLDを提案するため、グループによる協力を奨励しています。gTLD申請プロセスで成功が保証されるわけではありませんが、この挑戦は取るに値すると強く考えています。

2. なぜ .ada と .cardano のgTLDを申請するのか?

Cardano Foundationが .ada および .cardano のgTLDを申請する目的は次の通りです。

  • Cardanoの競争力あるデジタルプレゼンスを確保するため:.cardano と .ada の双方を確保することで、デジタル空間における可視性と存在感を高め、Cardano上に構築されるプロジェクトの信頼と信用を強化します。

  • Cardanoのイノベーションを解き放つため:.ada および .cardano ドメインが利用可能になれば、エコシステムのビルダーやユーザーはそれらを活用して、Web2 と Web3 の橋渡しとなるイノベーションを推進できます。例:

    • ウォレットアドレスの簡略化
    • Veridian のような分散型IDソリューションとの統合
    • ドメインのトークン化

また、Cardano Foundationは、従来のDNSとCardanoを橋渡しするユースケースを模索するため、Ada Handles および Handshake とも対話を進めています。

  • Cardanoをデジタルインフラとして戦略的に位置付けるため:新たなgTLDはCardanoブロックチェーンに追加のユーティリティ層を提供し、新規統合やユースケースの可能性を広げ、Cardano全体の魅力を高めます。

3. Cardano Foundationは .ada と .cardano のgTLDをどのように運用するか

.ada および .cardano のgTLDがエコシステムとコミュニティの利益に沿って運用されるよう、Cardano Foundationは、既に すべての財務データで実施しているとおり、gTLDの運用に関する数値を定期的に公開することを約束します。市場からの関心の度合いによっては、将来的に得られる収益を他のエコシステム活動の支援に充当できる可能性があります。

さらに、Cardano Foundationは、gTLDの管理と発展を指導する専任のコミュニティ諮問グループを設立する計画です。同グループは、「Our Cardano」に示された原則に沿ってgTLDが運用されることを保証し、Cardanoエコシステム内の既存プロジェクトとの協働を円滑にします。

4. コミュニティ支援のためのインフォアクション

Cardanoのガバナンスメカニズムにより、私たちはこのイニシアチブに対するコミュニティの意見と支援を評価できる貴重な機会を得ています。この目的のため、またgTLD申請におけるコミュニティの支持を示すため、Cardano Foundationはインフォアクションを提出します。ぜひご投票ください。

インフォアクションが可決された場合、Cardano Foundationは2026年第1四半期に、両gTLDの申請をICANNへ準備・支払い・提出します。

5. 概算コストとリソース

以下は、新たなgTLDの申請および運用に関する概算の予算内訳です。なお、本プロジェクトについてCardano FoundationはTreasury資金を要求しません。すべての費用はCardano Foundationが直接負担します。

一時費用

  • 2件のgTLD申請:概算 700,000米ドル

  • ICANN申請料:概算 500,000米ドル

  • 申請支援:概算 200,000米ドル

年間固定費用

  • 年間固定費用合計:概算 350,000米ドル

  • ICANN費用・レジストリソフトウェア保守・ライセンス:概算 100,000米ドル

  • マーケティング・ビジネス開発・管理費:概算 250,000米ドル

年間変動費用

変動費用は上記に含まれていません。ドメイン販売量に依存し、ドメイン販売収益で相殺されます。

6. 結びに

今回のICANN申請受付は、Cardanoエコシステムにとって貴重な機会です。.ada および .cardano のgTLD申請を進めることで、Cardano FoundationはCardanoインフラの能力を拡張し、その競争力とデジタルプレゼンスを強化し、イノベーションを促進し、エコシステムとコミュニティ全体の利益のためにこれらの重要資産が適切に管理されるようにします。

この取り組みへの支援をお願いするとともに、すべてのSPOおよびDRepの皆さまに対し、本インフォアクションに「YES」と投票し、Cardanoの未来を共に形作っていくことを呼びかけます。


FAQ

1. Cardano Foundationはトップレベルドメイン(gTLD)について何を計画していますか?

Cardano Foundationは、ICANNに対して .ada および .cardano のgTLD登録を申請する計画です。

2. 新しいgTLDの次回申請受付はいつ開始される見込みですか?

次回の申請受付は、2026年第1四半期に開始される見込みです。

3. Cardano Foundationが .ada および .cardano のgTLDを追求する理由は何ですか?

Cardanoに強固なデジタルプレゼンスを確保し、追加のインフラ層を加えることで、Cardanoをデジタルインフラとして戦略的に発展させるためです。

4. これらのgTLDを確保することはCardanoエコシステムにどのような利益をもたらしますか?

デジタルアイデンティティを強化し、ブランドの不正利用を防止し、信頼を醸成するとともに、簡略化されたウォレットアドレス(例:「yourname.ada」)、分散型IDソリューションとの統合、ドメインのトークン化といった革新的なユースケースを実現します。

5. なぜCardano FoundationがこれらのgTLD申請に最も適しているのですか?

Cardano Foundationは非営利団体として、Cardanoの商標など他のパブリックグッズと同様に、エコシステムの利益のためにgTLDを管理することに取り組んでいます。加えて、本プロジェクトの管理に必要なリソース、技術的知見、コミュニティへのリーチを有しています。

6. Cardano Foundationは .ada および .cardano のgTLDをどのように運用しますか?

gTLDの運用に関する統計および財務を定期的に公開し、gTLDの管理と発展を指導するコミュニティ諮問グループを設立します。

7. このプロジェクトにCardanoのTreasury資金を使用しますか?

いいえ。Cardano Foundationが自己資金で直接すべての費用を負担し、CardanoのTreasury資金は求めません。

8. gTLD申請にかかる一時費用の概算はいくらですか?

2件のgTLD申請にかかる一時費用は概算で70万米ドルで、内訳はICANN申請料(50万米ドル)と申請支援費(20万米ドル)です。

9. gTLD運用にかかる年間固定費用の概算はいくらですか?

年間固定費用の概算は、ICANN費用・レジストリソフトウェア保守・ライセンスに10万米ドル、マーケティング・ビジネス開発・管理費に25万米ドルの合計35万米ドルです。

10. なぜこのプロジェクトにインフォアクションを提出するのですか?

このイニシアチブに対するコミュニティの支援を評価するためにインフォアクションを提出します。また、インフォアクションはgTLD申請におけるコミュニティ支持の証拠としても機能します。