ブロックチェーンは、経済を動かすその潜在能力を未だ最大限には発揮していない

ブロックチェーンは、経済を動かすその潜在能力を未だ最大限には発揮していない

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この論説は、Cardano財団会長@Nathan_Kaiserによるもので、2019年10月8日英紙「CityAM」に掲載されました。 アートワーク:@ADAtainment

エイダ・ラブレースは、英国の新50ポンド紙幣に載る寸前まで行きましたが、残念ながらそうはなりませんでした。しかし他方で、私たちのCardanoのトークン「エイダ」は、この分析エンジン 、つまり機械によって動く汎用コンピューターの設計に取り組んだ、英国の偉大なる数学的勝利を讃え、それにちなんで名づけられており、私はこのことを心地よく思ったものでした。 私はまた、コンピューターサイエンスと人工知能の先駆者であるアラン・チューリング(Alan Turing)が、2021年に登場する新紙幣の顔となることも同様に嬉しく思いました。

イングランド銀行の7月の発表によって、私はラブレースとチューリングの仕事が様々な方法でCardanoに貢献していること、そしてまたそうあり続けているのだということを思い出させられました。

Cardanoは、画期的なブロックチェーン ネットワークであり、かつ、世界トップクラスの学術者による基礎研究を利用したスマートコントラクト向けに開発されたプルーフ・オブ・ステークのプラットフォームです。この基盤となった研究の中身は最高峰の国際会議で論文として発表され、ピアレビューの対象となっています。 プロトコルの設計は、規制当局のニーズを考慮しつつ、ユーザーのプライバシーを保護することを目的としています。 そこにおいて、Cardanoは、これらの要件を微妙かつ効果的な方法でバランスさせた最初のブロックチェーンです。

Cardanoは、世界で最も聡明な人々に率いられたプロジェクトで、世界中に分散して展開していますが、しかし同時に私たちは現在および過去の英国の著名な科学者や詩人たちからインスピレーションを引き出してもいます。 たとえば、Cardanoのスマートコントラクト作成のための正式なプログラミングプラットフォームであるPlutusは、「チューリング完全」の言語を使用します。

言語といえば、Cardano ブロックチェーンの金融向けスマートコントラクトを書く際に私たちが使っているシンプルなプログラミング言語は、詩人であり劇作家である(そしてスパイでもある)クリストファー・マーロウ(Christopher Marlowe)にちなんで名付けられました。 Marlowe言語は、金融アプリケーションに特化して設計されており、プログラマー向けというより金融業者向けに作られていますので正式なプログラミング経験は不要です。 これはCardanoが分散化された後に立ち上げられることになっており、脆弱なエスクロー契約に対する解決策となる可能性があります。

Cardano プラットフォームの最初の時代は、Byronと呼ばれており、これは偉大な英国の詩人バイロンにちなんで名付けられています。バイロンは、ご存意の通りエイダ・ラブレースの父親でもあります。 この時代は「ブートストラップ」の時代であり、ネットワークをセットアップし、私たちのOuroborous コンセンサス プロトコルを証明し、ユーザーのコミュニティの構築を開始するよう設計されていました。

先月、私たちは「Shelleyフェーズ」という開発段階に向けてネットワークされたもののロールアウトを開始しましたが、このShelleyという名前は、バイロンの偉大なる友人であり、詩においての仲間でもあったパーシー・ビッシュ・シェリー(Percy Bysshe Shelley)にちなんでいます。 こうして、個々のノードがピアツーピアのネットワークに接続されるわけですが、こうした接続は分散型のShelley時代にとっての重要な第一歩のことでもあります。 今年後半、私たちはエイダに現実の報酬を導入してデリゲーション、ステーク、インセンティブをもたらします。 これらはShelleyの中核となる柱であり、適切な期間テストされた後、2020年にメインネットにロールオーバーされます。

ビジネスも企業も、現在適用される法的枠組みによってブロックチェーンの力を活用することが可能になります。

ブロックチェーン技術は英国経済で重要な役割を果たすこととなり、また、新しいテクノロジーの重要性は高まる一方ともなるでしょう。 ただし、ブロックチェーンセクターは、経済の強化を開始し、多様化を支援するために効果的な政策を必要としています。 業界としては、マネーロンダリング防止や市場の統合性、税制、法律など、ブロックチェーンに関するガバナンスと標準化ポリシーの策定を支援するために力を合わせ協力していく必要があります。 その流れで、私たちは最近、ロンドンを本拠地とする業界団体であるGlobal Digital Finance(GDF )に参加しました。

英国では多くの人々がブロックチェーンのメリットを分析して、英国がイノベーションに対して友好的な法域であることを確かにしようとしています。 経済がグローバル化するにつれて、このプロセスは強化される可能性があります。 そのような中、英国もその他の多くの国々も、現行の法的枠組みが進行中の技術的混乱に対処できるかどうかを評価しています。 Cardano財団とそのエコシステムのパートナー、 Input Output HK(ブロックチェーンのソフトウェアエンジニアリング会社)およびEMURGO(商業開発の専門家集団)は、現行の法規がブロックチェーンとどう相互作用していけるのかその方法を見つけられるよう様々な国々と協力しています。

Cardano財団はまた、説明責任を確保しつつ、法律を制定し、基準を設定するという使命の下、開発者と分散型台帳技術関連のプロジェクトを規制当局者と政策立案者と共に将来も有効に使い続けられるブロックチェーンに向かってまとめていくための組織である、欧州委員会下の「信頼のあるブロックチェーンアプリケーションのための国際協会( International Association of Trusted Blockchain Applications)」(INATBA )とも協力しています。

ロンドン市で重要な役割を果たす金融サービス業界においては、私たちは「アルゴリズム契約タイプの統一規格」(Algorithm Contract Types Unified Standards:ACTUS)という団体と連携して、金融業界におけるスマートコントラクトの標準フレームワークを作成しています。 Cardano財団は、ドイツの首都を本拠地とする私たちの戦略的パートナー Konfidioと共に、あらゆる規模の会社、政府、企業でブロックチェーンモデルを加速することを介してCardanoの採用も推進しています。

ラブレースとチューリングが現代のコンピューターサイエンスの基礎を築いたように、Cardano財団は、英国で、さらには世界で、ブロックチェーン業界の法的枠組み、基準、ポリシーの設定を通して道を切り開いていきたいと念願しております。 チューリング自身のことを敷衍してみれば(私は彼の暗号解読をもって、チューリングを現代のブロックチェーンの先祖の一人と考えています)、ブロックチェーンの現在の状態は、これから起こることの予兆にすぎず、そしてこれから起こることからみればそれはまだほんの影にしかすぎないと言えるでしょう。

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