IOHKブログ:ブロックチェーンの10年を振り返り、次の10年を予想

ビットコインの誕生から10年以上。現在Cardanoの10年に向かっています

2019年1月9日 チャールズ・ホスキンソン読了時間9分


2020年1月は新しい10年の幕開けを意味するだけでなく、ビットコイン誕生から11年目となります。この世界初の仮想資産は2009年1月3日に一般に公開されました。それからの10年はものすごい10年でした。そして私は今、次の10年を想い興奮を抑えられません。これからの10年、世界には多くの興味深いものがもたらされることになるでしょう。

急成長を遂げるブロックチェーン技術

ビットコインは私にとって常に特別なものであり続けるでしょう。ビットコインは世界における様々な素晴らしい問題を考えるきっかけとなりました。送金やマイクロファイナンスといった問題です。ビットコインを世に送り出した小さな寄せ集め集団が、私の人生だけでなく、グローバルなムーブメントの火付け役となり、世界中の人々の生活を変えてしまったとは信じられない思いです。今や何百万もの人々が毎日目を覚ますとともに暗号通貨やブロックチェーン技術について考えています。何千と言わずとも、何百もの学術論文が、このテーマを扱っています。その影響は計り知れず、これは単に始まりに過ぎません。

このテーマはG20やG7でも取り上げられるようになってきています。そして世界的に規制が変わり始めています。世界中の各中央銀行が仮想資産に対する認識を高め、中には導入を始めているものもあります。これは驚くべきことです。というのも、人類史上、中央集権的なマーケティング、開発、コントロールの取り組みなしに、ここまでの規模で1つの技術が世界的に適用されたことはいまだかつてなかったからです。ビットコインは誰にもコントロールされません。これは11年前の真実であり、現在もなお真実です。そして革命はまだ始まったばかりです。

次の10年に期待できること

ハッピーバースデー、ビットコイン。そして、新たなる10年にようこそ。私はこれからの10年間にこの技術がもたらすものを楽しみにしています。2010年から2019年はクレイジーでしたが、2020年から2029年はとても面白いものになるだろうと確信しています。次の10年、例えばNeural Laceなど、人体に埋め込み可能な初のコンシューマデバイス用電脳/コンピューターインターフェイスが体験できるでしょう。また、個人レベルの宇宙旅行も増えるでしょう。今後10年以内に、VRやARは単なる娯楽以上にメインストリームに食い込んでくるでしょう。

テレコミュニケーション、エネルギーそして交通もまた、革新期に入るでしょうし、携帯電話技術もおそらくさらに飛躍するでしょう。Teslaのモデルに示されるように、私たちは現在電気自動車の拡散も目の当たりにしています。これはバッテリー技術が今後さらに充実していくことを意味しています。バッテリー密度が今後10年で2倍、4倍となることは想像に難くありません。つまり、1回の充電で600~1200マイルを走る車が出現するのです。その間、太陽光発電や風力発電の発電性能も4倍とは言わずとも2倍にはなるはずです。

物理学は急速に進歩しており、次の10年で主力量子コンピューターが出てくることは確実です。先日2チップ間で量子テレポーテーションが生じたという記事を目にしたばかりです。その間にも、5Gが世界を席巻し、WiFiやBluetoothといった技術はますます進化しています。これにより自動運転車や知的インフラへの道が整備されます。この技術の影響は政府や省庁、そして民主主義そのものにまで及ぶでしょう。

変化の10年 - そしてチャンス

今後10年の間に、おそらく2008年のような経済破綻が起こることが予想されます。そしてそれが、暗号通貨がグローバル経済を乗っ取る端緒となるかもしれません。またアフリカ諸国がブラジルや韓国といった国々に匹敵する経済力を身に着けることも予想されます。ケニア、エチオピア、ナイジェリアあたりが有力でしょう。これは、人の移動におけるイノベーションや新たなパスポートや個人特定システムの開発が進むであろうことを意味しています。場合によっては自己主権型アイデンティティが注目されるようになる10年かもしれません。私たちはデータがまもなく商品として扱われるようになることを確信しています。データ使用に関する新規制は具体化しつつあります。この結果、データ監視とこの20年間発展してきた資本主義経済が抑制されるといいと思います。これは世界的な規制により起こるかもしれません。2020年から2030年にかけて何が起ころうと、今現在生きて世界の変化を目の当たりにできることは生涯における特権です。バイオ技術の領域であってもナノ技術の領域であっても、ICT界、またはその他の分野でも、こうした技術がメインストリームへと進んでいくのを見ることは特権です。

私見では、これが伝統的に組織化されたメディアの最後の10年だと思います。今後はCNNやFox News、Bloomberg、The Wall Street Journalといった媒体を目にする機会は減っていくことでしょう。代わってジョー・ローガンなどがもっと台頭してくると思います。この傾向は2025年以降より顕著になるでしょう。特に暗号スペースが、ジャーナリズムを司るインセンティブを根本的に変化させます。支払い方法やコンテンツの監督方法に変化が生じるでしょう。人気のある長文ジャーナリズムの時代は既に始まっています。この現象を目の当たりにするのは非常に興奮します。

また、開かれたアイデア、開かれた技術、アイデアの自由な移動が導入され続けていることもエキサイティングです。世界のトップ企業はオープンソース技術の密なポートフォリオを有しています。これは2000年にはありえませんでした。2010年でも多少存在した程度です。ところがエキサイティングなことに、現在2020年に入り2030年へと向かう中で、人々がいかに素早く協力し、商品が産業間に共通するDNAから築き上げられるかを目にしているのです。これはあなたにとっても、消費者にとっても、私たちすべてにとって良いことです。

Cardanoの役割

では、Cardanoはこのどこに位置付けられるでしょう。希望は、これが私たちの10年となることです。この10年はビットコインのものでしたが、2020年代が終わるまでにCardanoが暗号通貨界における主力となることを期待しています。私はCardanoが真のソーシャルオペレーティングシステムになると信じています。私の望みは、セキュリティから商品、ステーブルコインに至るまで、このプラットフォームに何千というあらゆる種類のメタトークンが存在し、毎日何億というユーザーにより何億というトランザクションが実行されるのを目にすることです。これはまさにこの技術が適切なインセンティブセットを正しく導入し、適切な商業利用を可能にできるか否かにかかっています。いくつかまとめるべきことがあり、私たちはテクノロジーを適切なものにすることにこだわりをもっています。私たちには適切なパラダイムがあると思います。進展していくにつれ、ピアレビュープロセスにより他にはできない明晰さとトレードオフの理解が得られます。

さらに、共通言語を使用しながら世界中の人々と私たちにできることについて話し合うこともできます。私たちは仮想ネットワークインフラ、コンセンサスプロトコル、そして根本的な暗号的プリミティブをマスターしました。グローバルなスキルシステムを構築するために何をなす必要があるか、非常によく理解しています。また、これを信頼性の高い、ピアレビューを通じた、サステナブルな形で行う方法もわかっています。つまり、技術的観点から、私たちのアプローチは正しいと感じています。

マーケティングと商業化

今年は特に商業化に力を入れ始めます。社内には「Cardanoファースト」戦略を表明しました。これは、製品を構築する際に常にCardano上でデプロイできるかを問うということです。つまり、誰かに「面白いブロックチェーンソリューションを作ってほしいんだけど」と言われた場合、サプライチェーン、認証、資格照合の如何に関わらず、Cardanoを第一に考えるということです。これはエチオピアやジョージア、モンゴルにも、あるいはNew Balanceとのパートナーシップのような、より私たちの本拠地に近いところにも適用されます。

こうしたものを適切に構築するためには、自分たち自身の製品を使用することが極めて重要だと思います。できれば、エチオピアのプロジェクトではその通貨をCardano上で公開したいと思っています。これはジョージアの資格照合プロジェクトも同様です。私たちの戦略は常にCardanoファーストで始まり、これは今年もそれ以降も変わりません。

また、技術の商業化には極めて積極的に取り組みます。特にShelleyやGoguenの配信とともにその傾向は強まります。このプラットフォームには存在価値があり、たくさんのものを土俵に上げることになると感じています。以前にはできなかった方法で、さまざまな問題を解消できるのです。これは未来のソリューションを具現化するプラットフォームであると信じています。この信念をパートナーであるEmurgoやCardano財団にも浸透させます。

インセンティブを試すことはエキサイティングです。現在トークンエコノミクス、インセンティブスキーム、ガバナンスシステムを製品の成長における主要課題として検討しています。ビットコインがここまで成功した理由はそのインセンティブモデルのシンプルさです。サトシはマイニングを行う人々のためにこのモデルを作成しました。同様に私たちが成功するためには、システムの成長にダイレクトに即したインセンティブが必要です。したがって、インセンティブ付きテストネットの公開とともに、私たちはステークプールのビジネスおよび安定した暗号通貨維持のビジネスについて多くを学んでいます。

すでに500のステークプールが登録され、ここから非常に重要な情報を得ています。これにはどのような飽和メトリクスにより、優良なオペレーターや不良なオペレーターを見極められるか、またマーケットやユーザーエクスペリエンスはどうあるべきかが含まれます。これが、この四半期にぜひとも探っていきたいテーマです。私たちのパートナーであるEmurgoやCardano財団も、インセンティブがCardanoエコシステムでいかに機能するかを完全に理解するために多くの時間を費やしています。

2020年から始まる10年を通じて、私たちの存在においてインセンティブが継続的調査の根源になることでしょう。よりよいものが得られるほど、フィードバックシステムがより迅速になるほど、より素早く何億ものユーザーを得て全員に益となる真にグローバルなソーシャルオペレーティングシステムに成長することがかないます。ここで述べられているすべての事柄のなかで、商業化、技術、インセンティブこそ、トップの座を得るために一致団結して取り組むべき3大要素なのです。

私たちにはCardanoを構築する理由があります。これは学術的プロジェクトではありません。これは商業的プロジェクトであり、これが成長する様が見たいのです。今はエキサイティングな時期ですが、その来し方を忘れるわけにはいきません。そのもとはビットコインであり、ビットコインは常に私たちを取り巻いています。これは常に価値のあるプロジェクトであり、私にとって感傷的な部分でもあります。

ですから、Cardanoコミュニティを代表して、ビットコインにハッピーバースデーの言葉を贈ります!今までの功績に感謝を。そしてビットコインコミュニティにも感謝します。偉大なる成功と安定、そして革新を祈ります。

この記事は2019年1月3日のチャールズのAMAを書き起こして編集しています。

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