IOHKブログ:CardanoにGLOWを搭載

DevnetでGLOWのサポートを可能にしました。これは、Cardanoがサポートする最新の言語です。その作成者に、DApp開発のためのDSL構築について訊きました。

2021年2月26日 Eric Czuleger 読了時間5分

Bringing Glow to Cardano

2020年末、Cardanoに複数の開発言語をもたらすという長期的な戦略を支えるDevnetプランが発表されました。これについての概要は「Island, Ocean, Pond」という動画で語られています。今週、イーサリアム仮想マシン(EVM)上に構築された、GLOW言語をサポートする新しい開発環境が公開されます。

Mutual Knowledge Systems(ミューチュアル・ノレッジ・システムズ)のフランソワ=ルネ・リドー氏は、検証可能なDAppを誰もが単一の仕様で作成し、EVMネットワークにデプロイできるドメイン固有言語(DSL)、GLOWの生みの親です。リドー氏(別名Fare)に、GLOWについてのビジョンと、これまでのCardanoの歩みについて訊いてみました。

去年末に、Devnetというアプローチについて発表したとき、はじめてGLOWとMuKnをコミュニティに紹介したわけですが、改めてIOHKとのなれそめについて聞かせていただけますか。

私のキャリアは中央支払いプロトコルの正しさを証明することから始まったのですが、まもなく次へ進みたくなりました。暗号通貨に関与し始めたのは2014年です。最終的にCardanoに出会い、そのコミュニティがとても好きだということに気が付いたのです。私たちは、物事を正しく行うことに焦点を当てているという点が似通っています。だからこそ、Cardanoを自分のドメイン固有言語であるGLOWの拠点にしたいと思ったのです。

あなたがMuKn(ムーン)と呼ぶ、Mutual Knowledge Systemsの設立に至った理由を少し聞かせてください。

3年ほど前に、私は白書を読んでいました。技術面を理解できる物もあれば、経済面を理解できる物もありました。物によっては、経済面は少し理解しましたが、技術面がまったくわからないものもありました。白書を読んでも、基になっている問題を解消できないことがわかりました。自分はもっとうまくやれると気が付いたのです。そこで、スケーリングソリューションを設計し始めました。

友人が、スマートコントラクトのスケーリングに取り組んだらどうかと示唆してくれたのです。当初、スケーリングを扱う会社を設立しようとしましたが、まもなく分散化された領域を扱うすべての人々にとって、言語とロジックこそ重要であることがわかりました。現在、Mutual Knowledge Systemsと呼ばれる当社は、独自のプログラミング言語GLOWを扱っています。GLOWは本質的に、既存のどの言語よりもアプリケーションの記述に適しています。

「よりよい」とのことですが、実際にはどのような意味ですか。

Dappの記述は世界で最も難しいことです。なぜなら、失敗が許されないからです。あらゆるエラーが、ユーザーの重大な資金喪失を意味します。加えて、最もセキュアなDAppを構築するためのツールは存在しませんでした。そこで、私たちがそうしたツールを作ろうと決心したのです。

DAppを構築する際、敵はランダムなエラーだけではありません。アクティブな敵対者も存在します。攻撃者は常に誰かのエコシステムに悪いことを起こそうと画策しています。それが彼らにとって非常に利益をもたらすこともあります。軍隊は自分たちのハードウェアインフラストラクチャーを防御し、ソフトウェアの秘匿性を確保することができます。ブロックチェーンスペースの開発者たちはそのような贅沢はできません。DAppにおいては、その一部は公開されていないといけません。これは、すべてのバグや功績を隠しておけないことを意味します。

私は、プログラムを作成するときには、ドメイン固有言語と正式なツールセットや技術を使用するべきだと思います。シンプルさと抽象化の力により、必要なすべての推論を、攻撃対象領域を縮小しながら行うことができます。百万ものコード列から1つのバグを確認するのは大変ですが、1000列だったら安全性を確保することができます。

Cardanoやそのコミュニティの魅力とは何ですか。

御多分に漏れず、私も最初はイーサリアムを使いました。Cardanoコミュニティに出会って、同じ考え方をすると感じたのです。私たちは、物事を正しい方法で、きちんと機能するようにしたいと思っています。今日動けばいいや、というのではなく、長期的に考えます。構築するなら石を基礎としたい。流砂の上に構築したいとは思いません。時々、歩みの遅さに辟易することもありますが、細部にまで気を配ったCardanoの開発におけるクオリティに満足しています。完璧かと言われれば、そんなことはありません。でも、素晴らしい基盤があるのです。

GLOWでどのようにDApp開発者の操作性を変えようとしているのか聞かせてください。

GLOWには移植性があります。現在はCardanoとイーサリアムで作動していますが、将来的にはいずれのブロックチェーンでも十分な先進性を備えていれば作動するようになります。これは、作成したアプリがいったん作動したら、他のプラットフォームでの作動を心配する必要がなくなるということを意味します。開発者は最適なブロックチェーンで自分のアプリケーションを実行し、最適なブロックチェーンは実力によって評価されます。このことにより、ブロックチェーンには堅実な価値提案をもたらすための競争が起こります。

コミュニティがGLOWに期待できることとは何ですか。

現在、EVMに構築された初期バージョンのGLOWを公開しています。既にお見せしたいものがいくつかあります。まだリリース段階には至っていませんが、シンプルなアプリケーションを実演することはできます。ユーザーはいかに20行で、100行のアプリケーションと同じように作動するアプリケーションを書くことができるかを確認できます。完全リリースには至っていないまでも、エキサイティングなものをお目にかけることはできますよ。

GLOWと当方のEVMおよびDevnetプログラムとの統合をロールアウトしていますが、ここでの利点とは何でしょう。

GLOWはEVMネットワークで、どのようなスマートコントラクト用にでも使用できます。これは、CardanoがこのサイドチェーンでGLOWで作成されたスマートコントラクトを実行できることを意味します。

ロールアウトプロセスについて、また、コミュニティは希望すれば関与できるのかについて教えてください。

GLOWはいまだ開発中です。できることとできないことがあります。どなたでも、現在積極的に機能を追加しているGLOWコミュニティへの参加を歓迎します。もし素晴らしいプロジェクトを企画しているのであれば、それに必要な機能を優先させることもできるかもしれません。

開発者の方は、ぜひMutual Knowledge SystemsとGLOWにご参加ください。リドー氏との対談およびGLOWの実演はCardano360でご覧ください。