目次:
FUND9のスケジュール
FUND9の提案紹介(日本ルームへ参加した方)
FUND8以前の進捗共有
[Fund9の進行スケジュール]
・6/30をもって、全ての提案書の受付が終了
→これから2~3週間かけてアドバイザーからの審査が入り、各提案に五段階評価+コメントが付けられる。
→アドバイザー登録をした方は、以下の説明を参考に提案の評価を進めてください。
(Catalystプロジェクトアセッサーガイド翻訳+8点に要約🔥)
・Fund9の投票期間は、8/11~8/25
→Catalyst初参加のホルダーの皆さんは、8/4までにDaedalusかYoroiで有権者登録(4桁のPINナンバーとQRコードの発行&保存)を済ませましょう!
[Fund9の提案紹介]
① ランケットさんとKittamuの原田さん
『Japanese Traditional Crafts NFT (予算: $51,000)』
→京縫や阿波和紙といった日本の伝統工芸品をCNFT化することで、工芸品の価値の保存と職人の経済的支援を目指すプロジェクト。NFT化するのはその工芸品の所有権であり、これを購入者がバーン(NFTを焼却)して権利を固定することで、現物品を直接買い取ることができる仕組みにする。
② ユン・セラさん
『Recognize Impact through DIDs (予算: $68,967)』
→Cardanoのスマートコントラクトによるユーティリティトークン(そのサービス内で使えるトークン) の発行とAtalaPRISMによるDIDを紐づけることができる、社会課題の解決に特化した人材マッチングサービス「Socious(ソーシャス)」を開発。マッチングに伴い、成功報酬とは別でレンディングやサービスの運営権利などが付与されたユーティリティトークンをもらうことができる。開発予定の機能ごとに予算案を分割して提出している。
『Scoring Social/Environmental Impact (予算: $48,400)』
→マッチングを通じて取り組んだ社会課題や、その達成による貢献度を「インパクトスコア」として数値化し、それに比例したユーティリティトークンが付与される。トークンを一定量貯めることで、このサービスの運営や監査などに関与できる投票権が与えられ、小規模なDAOの実現に向けた基礎構築を行う。
『Decentralized Escrow for Remote Job (予算: $54,400)』
→本サービス上で雇用主とフリーランスとの契約不履行を未然に防ぐために、スマートコントラクトに裏付けされた分散型エスクロー(両者の取引に第三者を仲介させる)システムを構築する。仲介者には、一定以上のインパクトスコアを保有する人しか立候補できず、主なやり取りはスマコンに代行させることで、安価な手数料で契約履行を促進することができる。
『Impact lending for the unbanked (予算: $63,600)』
→本サービスの利用者同士でユーティリティトークンを介した金銭貸借ができる仕組みを構築。インパクトスコアの大きさが信用として機能し、金利に影響するなどの仕組みを導入予定。銀行口座を開設できないような貧困地域に住む人々を対象にしている。
『Atala Integration with Milkomeda (予算: $46,100)』
→SociousはMilkomeda(イーサリアムとの互換性を高めるサイドチェーン)上に構築予定だが、MilkomedaとAtalaPRISMとの統合はまだ未完了である。そのため、既にCatalystでの資金調達経験があり、同じ分散型の人材マッチングサービスの開発に取り組む「ProofSpace」チームと協力し、この統合を進める。
③ 八木さん
『Sustainable Coffee to Earn (予算: $50,00)』
→コーヒーの生産に伴うCO2の排出量を削減し、それを排出権取引として企業に売り込み、それによるインセンティブを途上国のコーヒー生産者への支援に充てる、この一連の流れを一元管理できるようなCoffee to EarnのDAppsを開発する(カーボンクレジット: 各企業が掲げるCO2の排出量削減目標において、自社努力だけでは達成しきれない削減分を他所から買い取ることで、実質的にノルマを達成させるやり方、およびそれに伴う市場のこと)。まずは、提案者兼コーヒーショップのオーナーでもある八木さんが、ルワンダへ現地調査に行き、コーヒーの生産に伴うCO2の排出量を測定する予定。
④ 中江川さん
『CNFT Marketplace for 3D materials (予算: $4,083)』
→ゲーム開発に用いられる3D素材をデザインする一般クリエイターのマネタイズを支援できるCNFTマーケットプレイスを開発。認知度の低い3Dモデルや、アート作品のような一点物よりも流動性の高いゲーム素材などに焦点を当てることで、既存のマーケットプレイスとの差別化を目指す。
『CNFT Marketplace for 3D materials (予算: $40,583)』
→上記提案と内容は同じで、中長期的な開発費までを含めた大型提案となる。
⑤ ゆーにゃさん
『L-Earning Bazaar: Web3 Integration (予算: $80,000×2)』
→一般の教育者と学習者をマッチングできるLearn to Earnプラットフォームを開発。学習者はユーティリティトークンやCNFTチケットを支払うことで、様々な講義に参加することができ、教育者は教員免許を持たずとも、自分の専門分野に特化した講義を提供することでインセンティブを得ることができる。そして、AtalaPRISMによるDIDと紐づけることによって、教育者は受講者からのレビューを蓄積することで自分の講義品質を客観的に保証することができ、学習者も講義課程の修了を保証してもらい、その後のキャリア形成に活かすことができる。
→本提案は予算を二つに分割請求しているため、実質1600万円のプロジェクトである。
『CNFT Community in Asian Community (予算: $31,500)』
→日本最大のクリエイターコミュニティである「Soudan NFT」とゆーにゃさんが運営する「CNFT is Community」が共同で、東アジア圏向けのCNFTコミュニティを新設する。具体的には、国内企業や一般クリエイター向けに、CNFTの翻訳コンテンツの提供やDiscordコミュニティの運営などを行う。
⑥ 平山さんとISSAさん
『Quality Assurance of Organic Foods (予算: $10,460)』
→農薬や化学肥料を一切使用せずに、土壌微生物を活性化させる自然農法で育てた野菜やそれを飼料とする家畜の品質保証にAtalaPRISMを活用する。また、健康意識の高いADAホルダーが顧客となることで、コスト高で苦しむ有機農家をJAの仲介なしに直接支援することができる。まずは、新規就農者を募集するために、専門家を交えた説明会やワークショップを開催する。
⑦ 羽賀さんと高橋さん
『Smart Card Hardware Wallet (予算: $80,000)』
→日常的に携帯できるカード型のハードウェアウォレットを開発。スマホから独立させることでハッキングリスクを抑えながらDAppsへの接続を可能にする。カードに指紋認証機能を直接付与することで、セキュリティ維持が可能。
『IoT/M2M Oracle Platform Development (予算: $70,000)』
→Plutusのスマートコントラクトに接続できるオラクルプラットフォームを開発。ブロックチェーンにおけるオラクルとは、毎日の気温や選挙の得票数といった外部データをブロックチェーン上に送信するシステムのことを指す。本提案では、センサー情報の管理と決済システムをスマコンで一括管理できるような仕組みの構築を目指す。
⑧ KUNIさんとフレッド田中さん
『Cardano Japan Brand Dev Initiative (予算: $63,000)』
→前回の提案(下記参照)に引き続き、元IOG広報担当のフレッド田中さんと協力して、日本のメディア業界へのCardanoのプロモーションやイベントの誘致に取り組むための活動資金を要求。今回の提案では、官公庁へのロビー活動まで拡大していく予定である。
[Fund9のチャレンジ提案紹介]
*チャレンジ提案とは、次回のFundで新設&続投すべきカテゴリーの提案のことを指す
*今回は、次のFund10のために用意された$12,800,000(約17億円)の配分を決める
① ISSAさん
『Startups & Onboarding for Students (カテゴリー予算: $100,000)』
→学生によるブロックチェーン関連のスタートアップ支援や、学生のブロックチェーンエンジニアを育成するための提案を募集するカテゴリー。提案者は学生に限定し、100万円の予算上限を設けることで、最低でも10人の学生に資金調達のチャンスが与えられる。この学生専用のカテゴリーはFund9が初登場であるが、世界中の学生からすでに30以上もの提案が提出されている。そのため、引き続きこのカテゴリーの続投を目指したい。
② YUTAさん
『dRep improvement and onboarding (カテゴリー予算: $100,000)』
→Fund10から実装予定のCatalystの投票権委任制度「dRep(ディーレップ)」の規範に関する提案を募集するカテゴリー。dRepの選定基準や影響力を明確にすることで、Catalystのガバナンス維持に重要な役割を果たす。Fund9が初登場であり、引き続きこのカテゴリーの続投を目指したい。
③ Razさん
『Scale-UP Cardano Community Hubs (カテゴリー予算: $500,000)』
→各地域で行われる開発面以外でのコミュニティ活動を支援するためのカテゴリー。このカテゴリーはFund5から続投されている常連カテゴリーであり、日本コミュニティもEXPOプロジェクトをはじめ、過去の提案の半数近くがこのカテゴリーから資金提供を受けている。しかし、Fund9では得票率の不足により続投に失敗したため、今後の提案者のためにも、日本コミュニティ全体としてこのカテゴリーを応援したい。
[Fund8以前の提案の進捗状況]
① KUNIさんとフレッド田中さん
『Cardano PR Initiative Japan (Fund8/予算: $36,000)』
→日本のメディア業界へのCardanoのプロモーションやイベントの誘致に取り組むための活動。コミュニティのYUTAさんやランケットさん、dcSparkのセバスチャンさんなどの協力も得ながら、日本の大手新聞社と協議を重ねているところ(具体的な掲載にはまだ至っていない)。活動範囲を官公庁まで広めるために、活動の継続資金をFund9で申請中。
『Atala Japanese Translation & CNFT (Fund7/予算: $50,000)』
→国内でAtalaPRISMの採用事例を増やすためにAtalaの翻訳ドキュメントを作成する。IOG職員を通じて、ようやくドキュメントの原文を入手することができたため、翻訳に取り組み始めたところ。しかし、そもそもAtalaPRISMが製品ということもあり、残念ながらソースコードを含んだドキュメントではなかった。また、IOGが提供するAtalaPRISMのソースコードを学べるAtalaパイオニアプログラムも更新がかなり停滞しており、中々Atala関連のプロジェクトが進められていない状況である。
② ランケットさん
『PAB promotion in Japan (Fund7/予算: $5,000)』
→PAB(Plutus Application Background)がDAppsをCardanoテストネットへ移行する前のデバックツールであることを確認。他の提案者と連携して、暫定的なドキュメントも作成した。また、コミュニティ内の有識者と協議しながらHaskellの情報を取りまとめ中である。
『Product Exhibition from Shikoku (Fund7/予算: $10,000)』
→KittamuをスポンサーとしたADA払いが可能な吉野川物産展の実現。先月の吉野川市でのミートアップを契機に、日本コミュニティ内からも梅酒の注文が殺到。また、トウモロコシやアマゴ(川魚/イワナの一種)といった特産品も試食したことで、物産展に並べる商品の目処もついた。今後は、Kittamuの原田さんと連携しながら、オフラインミートアップでも特産品の宣伝をコミュニティ向けに行っていく。
③ 羽賀さんと高橋さん
『CPU/IOT development for fact data (Fund6/予算: $80,000)』
→映像の加工履歴を追跡できるNFT付きCPUの試験的開発。すでに回路設計や論理設計の段階は終了しているが、昨今の半導体不足によりハードウェアの組み立てが滞っている状況。部品の供給が揃うまでは、基本設計をさらに詰めていく。
④ 羽賀さんと高橋さんとダウさん
『Raspberry /SPO Project (Fund7/予算: $100,000)』
→「ラズベリーパイ」と呼ばれる小型のステークプールハードウェアを開発。すでにプール運営に必要なスペックを満たしたプロトタイプを製作し、それをEXPOブースにも展示した。しかし、こちらも半導体不足により、現状では量産ができずにプロジェクトが滞っている状況。
⑤ 高橋さん
『INDIGO, AFRICA & FUTURE FASHION (Fund8/予算: $50,000)』
→東アジアが源流である藍染の衣類をアフリカ地域で普及させるプロジェクト。品質保証にブロックチェーンを、衣類の購入にADA払いなどの導入を目指す。現在は、チームメンバーのアフリカ人が、ガボン地域で染料の栽培農地を開拓中であり、同じくチームメンバーの日本の藍染師がリモートで栽培方法を指導している。
⑥ YUTAさん
『Japan Cardano Governance Association-Meeting & Communities & Products (Fund2/予算: $3,500)』
→Cardano日本コミュニティでCatalystの認知度を広げるための活動を提案。Catalystに関する多くのコンテンツの作成やイベントの開催などを行い、全てのKPIを達成したため最終レポートを提出。
→他の提案者向けに、提案の完了に伴う最終報告の手順やレポートの作成方法などをまとめた。