IOHKブログ:Adrestiaがもたらす統合と進歩

ハイペースのブロックチェーン開発から生じる課題を受けて

2020年6月15日Eric Czuleger 読了時間4分

取引所および開発パートナーにとって、いかなるブロックチェーンとの統合も時に困難を伴います。目まぐるしく変化するテクノロジーの開発ペースについていくことは非現実的であるとすら言えるでしょう。Cardanoの開発およびリリースプロセスは、物事を急速に前進させています。異なる速度で同時進行するソフトウェアの開発作業を管理することは、まるで時速100キロで走るトラックのタイヤを交換しているかのように感じられることもあります。

Cardanoのビジョンとは、分散型のアプリケーション、システム、社会に、比類のない安全性とサステナビリティを提供することです。技術的に最先端かつ環境的に最もサステナブルなブロックチェーンとして開発が続けられているCardanoは、個人、ビジネス、社会がいかに働き、交流し、創造するかについて、安全性と透明性の高いスケーラブルなテンプレートを提供します。

こうした目的を達成するために、パートナーが、その内容にかかわらず、素早く簡単、かつ高い信頼性を持ってCardanoと統合できるような方法を考案することが必要となりました。私たちは、今後のロールアウトのペースや頻度にかかわらず、全員がコアノードのあらゆる更新を簡単に適用できるような一貫した手法を開発したいと考えました。

Cardanoとの統合およびやり取りを簡易化および迅速化するために、IOHKのエンジニアはAdrestia(アドレスティア)チームを発足。開発者やアプリケーション構築者がCardanoにアクセスできるようにするためのAPIやライブラリーを構築する任を負います。これにより、ノード開発の焦点をパフォーマンスやスケーラビリティにあてつつ、ユーザーは常にノードとスムーズにやり取りすることができます。Adrestiaの名は反乱の女神にちなんでおり、これらのインターフェイスにより、すべての人々がCardanoと統合できるよう、アクセシビリティに革命を起こすために名付けられました。

開発者が変化のペースに対応できるように

Adrestiaチームの目標は、開発者がCardanoロードマップの各リリース間に想定されることを知ることができるよう、API経由で恒常的な統合体験を提供することです。ウォレット開発者や取引所を問わず、ユーザーはフレキシブルにチェーンの調査やトランザクションなどを実行することができます。

APIには以下が含まれます。

  • cardano-wallet:UTXO管理、その他用HTTP REST API
  • cardano-submit-api:署名済みトランザクションの送信用HTTP API
  • cardano-graphql:ブロックチェーンの調査用HTTP GraphQL API

SDKは複数の低レベルライブラリーで構成されます。

  • cardano-addresses:アドレス生成、導出、ニーモニック操作
  • cardano-coin-selection:コイン選定および手数料計算アルゴリズム
  • cardano-transactions:トランザクション構成および署名用ユーティリティ
  • bech32: Bech32アドレス形式(BIP 0173)のHaskell実装

Cardanoとのフレキシブルかつ生産性の高い統合方法を提供することに加えて、メンテナンスも簡易化されます。一貫性が高められるため、リリース間で統合の更新時間の短縮が可能となります。この親和性により、メンテナンス費用も削減されます。新しいソフトウェアは、数週間内と言わず、数日内にデプロイできます。究極的に、誰もが変化のペースに対応しうるのです。

はじめよう

この成果は現在CardanoのByron期でライブとなっています。取引所やCardano-SLを使用しているサードパーティでは、現在新ByronおよびShelleyウォレットへのアップグレードに向けた準備のために統合が実施されています。これらは、あらゆる機能停止を避けるために連続的に行われなければなりません。詳細はAdrestiaリポジトリに追加されており、ADA保有者が取引所やサードパーティウォレットの資金を保持するうえでサービスが中断されることがないよう、パートナーと作業を進めています。下図は、Cardano-SLノードおよび来るShelleyノードの違いを示しています。赤のコンポーネントはShelleyと互換性のないもので、ハードフォーク後に廃止となるもの、その他のコンポーネントはShelleyと互換性があり、ハードフォーク以降もサポート対象となるものです。

すべての人に機能するブロックチェーンネットワークを作る鍵は一貫性です。Cardanoは今後5年、10年を見越して構築されたものではありません。今後50年を見据えています。その間システムの変更は避けられませんが、全員がCardanoノードに接続できるようにAdrestiaが作られました。Adrestiaを開始するには、Adrestiaのプロジェクトリポジトリユーザーガイドを参照してください。