IOHK ブログ:クリスマスの12日間 - 次の3人

英語の伝統的な数え歌になぞらえたCardanoの過去、現在、未来

2020年12月29日 Anthony Quinn 読了時間4分

Three more thoughts for the 12 days

英語の伝統的な数え歌クリスマスの12日間にちなみ、過去、現在、未来について思うことを、12月25日から1月5日までの期間1日1人分として紹介していくこの企画。前回は4人分を紹介したので、今回は3人分をお届けします。

5日目:Romain Pellerin、テクノロジーチーフ

今年は非常に多くの配信を実現した、とても満足のいく年になりました。Byronリブートに始まり、Shelleyを経て、つい先日トークンロックをもたらすAllegraをリリースし、現在はネイティブトークンのMaryの準備にかかっています。この数年間は、強力なエンジニアリングによって研究と科学を消化吸収しながら、例えばステークプールオペレーターなどコミュニティを形成してきました。今年は非常に張り詰めた年でした。私はこれらすべてをこなしてのけたチームと、そのやり方を誇らしく思っています。年間を通じて、このように複雑なものを、着実にスケジュール通りに配信したことは間違いなく大きな成果です。

現在、これまで学んだことを吸収し、構造、組織、プロセスの面において社としての改善を進めています。IOは間違いなく成長しました。

2021年には、開発者やオペレーターコミュニティの成長と足並みをそろえて、GoguenVoltaire、すなわち、スマートコントラクトと分散型ガバナンスを配信していきます。これはユーザーにシステム自体のガバナンスに参加する力を与えます。とても興味深い体験が得られると思いますので、2021年にどうぞご期待ください。

6日目:Junko Oda、翻訳者

日本はCardanoコミュニティの重要拠点であり、私の仕事はブログ記事等を日本コミュニティになるべく早くお届けすることです。例えば、ハードフォークコンビネーターに関する記事の翻訳版など、目を通していただけているようでうれしいです。私自身、技術的な知識を持っているわけではないのですが、その点を逆に活かして、できるだけ多くの人々に理解していただけるような翻訳版をお届けしたいと思っています。実はそのせいで、頻繁に基本的な質問で執筆者を煩わせています。こうした記事の翻訳は大変ですが、最先端の技術について学ぶことができ、それを成し遂げる組織の一員としていることができて、満足しています。

実は今、電子書籍サイトの購入ボタンを押そうとしています。オフで読むのは大半が日本語の本です。日本の伝統詩歌にも興味があり、夫はThe Haibun Journal(俳文ジャーナル)なる雑誌を発行しています。今購入しようとしているのは2019年の芥川賞受賞作、上田岳弘の『ニムロッド』。内容紹介によれば、暗号通貨に関係する小説ということで、暗号通貨を扱った小説が芥川賞をとったのか、と、ちょっと読んでみたくなった次第です。

クリスマス後、この本を読みながらちょっと休憩したら、また忙しい一年が始まります。CardanoのBasho開発期も近づいています。これはもちろん、かの俳人松尾芭蕉にちなんで名付けられた開発期で、17世紀に活躍した俳諧の重鎮芭蕉は、知性と芸術性で海外でも高い知名度を誇ります。2021年も仕事という意味では、例年通りかなり忙しくなることでしょう。とりあえず、今のところは『ニムロッド』を楽しもうかと。その間皆さんは英語でも日本語でもブログをお楽しみいただければと思います。最後のごあいさつに代えて、芭蕉のお気に入りの英訳を。さて、どの句かおわかりになりますか。

summer grasses –
all that remains,
of warriors’ dreams

(翻訳: Sean O’Connor)

7日目:Darko Mijić、プロダクトマネージャー

今年リリースしたDaedalusウォレットは40を数え、前年までのすべてのリリース数を上回りました。数多くの新機能や改良点の中で、私が最も誇らしく思うのはByronリブートです。ここで、接続の不具合が大幅に改善され、ブロックチェーンの同期も高速化しました。Shelleyはビッグバンリリースで、Daedalus更新にも暗号の強化、ステークプール委任や報酬などがもたらされました。

現在は、Daedalusユーザー5000人および100を超えるステークプールオペレーターに行った最新のアンケート結果を分析しています。これは、開発プランの中心にコミュニティを据えるのに役立ちます。

2021年は、Cardanoコミュニティで技術的スキルを持つメンバーに、ぜひDaedalus Flightテストプログラムを継続してもらいたいと思っています。ウォレットの改良にはAtala Prismを使用した分散型IDも含まれます。これで、開発途上国に西洋式の金融サービスが開かれることが期待されます。また、Goguenスマートコントラクトで使用できるネイティブトークンも登場します。さらに、ペーパーウォレットではPGP暗号化をQRコードの利便性と組み合わせます。

次回「12日間に向けて」は12月31日配信予定です。