IOHKブログ:クリスマスの12日間 - 次の3人

英語の伝統的な数え歌になぞらえたCardanoの過去、現在、未来

2020年12月31日 Anthony Quinn 読了時間5分

Three more thoughts for the day

英語の伝統的な数え歌クリスマスの12日間にちなみ、過去、現在、未来について思うことを、12月25日から1月5日までの期間1日1人ずつ数日分をまとめて紹介していくこの企画。今回は3人分の配信です。

8日目:Gerard Moroney、オペレーションディレクター

この一年、Cardanoのソフトウェアを書く方法を変えてきました。私たちの開発哲学は、大規模なリリースを極めて緻密に企画する方法から、小規模なインクリメントを頻繁にリリースするという、非常にアジャイルなプロセスへと変化しました。漸進的なステップバイステップのアプローチを採ることで、チームメンバー、社内、コミュニティ全体に自信が養われました。ハードフォークのリリースを、告知した通り2週間以内に実現したという事実は、これを物語っていると思います。私たち全員、とても喜んでいます。

1年は終わりを迎えますが、私は来年の企画に追われています。短期的に物事をうまく予測できるという事実はよしとしていますが、先のことになるとそう容易に予測できません。何がいつできるかについて、すべての利害関係者にターゲットを設定しています。

こうした変更が完全になじみ、チームの利益となるのを楽しみにしています。チームはより充実していると思います。マネージャーは我々が提供する数字を信用できるし、コミュニティはいつ何を期待できるかわかります。個人的な話ですが、私はアイルランドのコークに住んでおり、近くには素晴らしいバリマルーハウスがあります。ここで再び大きなイベントが開催できる日を心待ちにしています。

9日目:Eric Czuleger、シニアコンテンツエディター

IOHKで働き始めて1年半。日常的に目にする最もエキサイティングなことは、理論が現実になることです。チーフサイエンティストのAggelos Kiayiasから、オフィスでオンチェーンガバナンスの構築に関して聞いたことを思い出します。分散型ネットワークにおける意思決定の複雑性を何とか理解しようと努めて、その夜は目が冴えてしまいました。自分はコンテンツエディターであり、研究者ではないんだと、自分を慰めたものです。しかし驚いたことに、その数か月後にはProject Catalystがガバナンスを現実のものにしていたのです。

現在、Cardanoの進化が世界中に何をもたらすかを目にするのが楽しみです。私は米国出身ですが、多くの時間をイラク、レバノン、アルバニア、ソマリアといった開発途上国で過ごし、働いてきました。こうした場所のほとんどが世界経済システムの恩恵を得ていません。エチオピア、ジョージア共和国、モンゴルへの初期進出の結果が待ち遠しいです。従来の金融機関と協調することは、一部のブロックチェーンプロジェクトにとって最優先事項のようです。私は、エチオピアの農家に力を与えることが、私たちの成功の尺度であることをうれしく思います。

これからタンザニアのキリマンジャロ登山に出発します。次にブログを書くのは数週間後になるでしょう。12月のウフルピーク登頂はお勧めできることではありませんが、9日間電話もメールも届かない状態というのも楽しみです。

10日目:Polina Vinogradova、ソフトウェアエンジニア

今年は「UTXOma: UTXO with Multi-asset Support」がディナーパーティでどのように語られるかを目にする機会はありませんでしたが、10月の形式手法会議で、私も携わったこの論文を発表するというエキサイティングな機会を得ました。現在オンラインで全論文のプレプリントが閲覧できます。また、SpringerからISoLA 2021の要項が出ました(ほとんどの会議は1年延期されています)。この研究は、CardanoのようなUTXO台帳モデルが複数のネイティブ資産をサポートできるようにする方法を説明しています。この論文を発表できたことだけでなく、研究が形式仕様記述へと変容し、さらにこの数か月間でCardanoシステムに実装されたのを目のあたりにできたことは素晴らしいことです。

現在、私はネイティブトークンのテストネットがどのように進むか、そして、特に台帳の設計についてのフィードバックを得ることを楽しみにしています。この設計は形式仕様記述を用いてHaskellで実装されていますが、私が発表した論文を基にしています。これが実際に稼働するのを目にしたら、とても満たされると思います。

これがすべて終わっても、興奮は去りません。次回ハードフォークへ向けて、Plutusスマートコントラクト統合を台帳へ完全実装する作業が待っています。台帳チームのほとんどがShelleyに集中する中、私はPlutus統合の形式仕様記述に取り組んできました。開発者の方々は、IOHKのエンジニアが生み出してきたオープンソースコードをGitHubで見ることができます。すべてのピースを配置し、台帳が実際にPlutusスクリプトインタープリターとやり取りするのを見るのが待ち遠しくてなりません。

クリスマスの12日間最後の2日分は1月4日に投稿します。

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